No.135 2002/09/01
広告料収入

 ホームページにNTT代理店・エヌティテックのバナーを貼ったのは、1999年10月でした。私のサイトでバナーをクリックしてスポンサーのサイトへ飛んだ人がそこでNTTサービスを申し込んで成約すると、サービス品目ごとに決められた広告料が付き、累積で5,000円以上になると振り込んでもらえることになっています。スポンサーのサイトへ飛ぶ際に、URLに紹介者番号を埋め込んであるので、申し込んだ人がどのサイトのバナーで紹介されたかがわかるという仕組みです。
 閲覧者がバナーをクリックしてくれただけでは、私の収益にはなりません。申し込みが成約してNTTからスポンサーに取り次ぎ手数料が入った時だけ広告料が支払われるという、スポンサーにとってはリスクのない方式です。ですから、私は儲けを当てにしてはいませんでした。しかし、画像が少なくてそっけない私のウェブページに画像を添えるのもよいだろうと思ったのと、私はNTTにいたので(今はグループ会社にいます)、NTTの営業に協力するのもよいだろうという考えから、ずっとバナーを貼っていました。

 2000年6月に500円付きましたが、5,000円に至らないのでまだもらえません。その後いっこうに増えませんでした。2001年12月に、申し込みがあって成約に至っていない分が2,000円あることが通知されましたが、契約が不成立になったようで、2002年3月にはゼロに戻りました。
 ところが、2002年5月には契約未完了分が4,000円、7月には17,000円、そして8月にはついに成約分が6,000円増えて累積で6,500円。これで振り込んでもらえることになりました。8月の契約未完了分は13,000円となっていたので、成約分と契約未完了分の合計は7月よりも2,000円増えたことになります。つまり、8月にも私のサイトから飛んで何かのサービスを申し込んでくださった人がいたということです。

 私が何かしたのかというと…実は、やっていました。バナーからの飛び先を、スポンサーサイトのトップページからOCN ADSLサービスの案内ページに変更していたのです。いつからだったかはよく覚えていませんが、2002年3月ころだったと思います。スポンサーから「各サービスのページに直リンクしてもけっこうです」という通知メールが4月初旬に来ましたが、その時にはすでにそうしていました。
 そのようにした理由は次のとおりです。
 スポンサーサイトのトップページには、当然ながら、スポンサーが取り次いでいるNTTサービスのすべてのメニューが表示されています。それは“万人向け”の情報ではありますが、あるニーズを持って訪れた人にとって“最適”の情報ではありません。たとえば「インターネットをもっと安く使えないかな」と思っている人にとって、キャッチホンなど、電話に関するメニューは無駄な情報でしかありません。「これは自分にとって不要な情報だ」と判断するために頭脳に負担をかけます。
 そこで私がとった戦略は、「私のサイトからスポンサーサイトへ飛ぶ人たちのうち、最大多数の人にとって最適な情報への案内に徹しよう」ということでした。広告料が高いサービス品目を狙おうとはいっさい考えず、「私のサイトを訪れてくれる人たちには、どのNTTサービスを必要とする人が多いだろうか」ということだけを考えました。
このように考えて選んだのが、OCN ADSLサービスの案内ページです。これは、OCNに申し込めばADSL回線も用意してくれるサービスです。プロバイダサービスとADSL回線を別々に契約する必要がないので、ユーザーにとっては楽です。ADSLに注目している一般の(自宅にサーバを立てようなどという上級者ではない)インターネットユーザーには、真っ最初に案内するにふさわしいサービス品目です。

 OCN ADSLサービスの案内ページへの直リンクにした後、前述のように、広告料収入が6,000円増加しました。ところが、OCN ADSLサービスの成約報酬は4,000円です。ということは、申し込んでくださった人のうち少なくとも一人は、ほかのサービスで成約したということです。また、成約分と契約未完了分の合計額が8月に2,000円増えたということは、申し込まれたサービスは広告料4,000円のOCN ADSLサービスではなかったということです。たとえて言うなら、「すべての商品を陳列していたらなかなか売れなかったが、売れ筋と思った商品をお客様に示したら、その奥にある商品が売れた」というようなものです。こういうこともあるのかもしれません。ともかく、すべての商品を陳列しているトップページへの案内をやめたことが、効果をもたらしたとは断言できないまでも、売上にマイナスにはならなかったというのは確かなようです。

 ところで、第133回で述べたとおり、私はOCNエコノミーをやめることにしてフレッツISDNとOCN ISDNアクセスIP8フレッツプランのサービスに切り替えたのですが、スポンサーサイトで申し込むことはまったく思い浮かばず、NTT東日本とOCNに直接申し込んでしまいました。スポンサーサイトで申し込めば、私への見返りが合計7,500円になっていたはずです。でも、今考えても、私は販売代理店の手助けなしに自分で手続きするすべを知っているプロのインターネット技術者なんだから、NTTから取り次ぎ手数料の上前をせしめるなんてせこいことをしなくてもよかっただろうと思っています。こんな私は金持ちにはなれないでしょうねえ。

謝辞 私のサイトのバナーをクリックしてNTTサービスを契約してくださった皆様、ありがとうございます。m(_"_)m

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