No.53 2000/06/13
パソコンの修理依頼は慎重に

 第52回で述べた、修理をキャンセルしたパソコンが戻って来ました。ディスプレイが暗くなったものの動くには動くFMV-5133NA6/Wから無事にデータを回収して、新しく買ったパソコンに移しました。
 このFMV-5133NA6/Wは、Linuxを入れてサーバに使い回そうと考えました。この記事を書いている2000年6月13日時点でサーバに使っているFMV-450NL/Sというノートパソコンでは、CPUクロックが50MHzと遅いため、掲示板の表示にやや時間がかかっています。これが133MHzと速くなりますから、表示が早くなるでしょう。また、ハードディスク容量は340MBしかなかったのが1.6GBになりますから、コンテンツの増加にも耐えられます。
 Linuxのインストールが終わった後は、新しいWindowsパソコンからLAN経由でログインして操作できるので、画面が暗くても困りません。もう一つ気になることは、冬に室温が低い時に起動しないというトラブルです。しかし、回路が暖まれば正常に動いていたので、電源を入れっぱなしにするサーバには支障なく使えるかもしれません。もし故障しても、ハードディスク容量810MBの予備機があります。
 さらにもう一つ気になることがありました。パソコンショップで修理依頼する時に内蔵電池で動かしたらすぐに電圧不足になったことです。サーバに使った場合、電池にトラブルがあれば、短時間の停電でも電池が持たずにシステムクラッシュになるかもしれません。
 そこで、本当に電池にトラブルがあるのかどうかを確認しようと、動かしながら交流電源を抜いてみました。…あれ?動くぞ。しばらくそのままにしていても、充電量を示す液晶インジケータの目盛りは下がりません。これなら、突然ブレーカーが落ちてから急いで復旧するまでの時間は十分に稼げそうです。
 なんだ、電池はそんなに弱っていないんじゃん。パソコンショップですぐに電圧不足になったのは、もしかしたら、主電源スイッチを切らずに持って行ったからかな。

 ん?そうすると、「電池交換25,800円」という見積もりは何だったんだ?「確かに電池が劣化しているから、交換する必要がありますね」と診断してくれたの?どうもそうじゃないみたいだな。「電池が劣化しているように思える」という申告に対して「じゃあ交換」と単純に判断しただけじゃないのかな。「胃が痛いんです。癌じゃないでしょうか」と言う患者に対して「じゃあ手術しましょう」と言う医者のようなものだな。
 まして、「室温が13℃以下の時に起動しない」という申告に対しては、実際に気温を下げた所に置いて再現試験をした上で「メインボードを交換する必要がある」と判断したのではないのでしょう。もしかしたら、電子回路上のコンデンサ一個の特性が劣化しただけかもしれないのに、どこが悪いのかを突き詰めることなく、「申告されたトラブルを直すには、メインボードを交換すれば十分である」という判断で見積もりを出したんでしょうね。
 修理のプロのやり方ではありませんね。パソコンがあまりにたくさん売れて、修理依頼があまりに多いため、そうでもしないと対応できないのだろうとは思いますけどね。

 どうせ修理はキャンセルしたのだからもうどうでもいいのですが、見積もりを了承して修理を頼んでいたら、払わなくてよい金を払っていたところでした。
 教訓:パソコンメーカーの修理部門は、ユーザーの判断ミスをカバーする判断はしてくれない。本当に修理を頼むべきかどうかは、ユーザーが自分で十分に検査して判断すべし。

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