No.42 2000/03/19
京浜急行平沼駅跡

 京浜急行線の横浜駅から下りの方向(浦賀方面)へ少し行った所、横浜市西区平沼一丁目に、高架のプラットフォームの残骸があります。これは、平沼駅の戦災跡です。かつて横浜市長が京浜急行電鉄に保存を要請したものだそうです。
 私が横須賀市に住んでいた1990年ころには、両側のプラットフォームにまたがるアーチ型の屋根の鉄骨も残っていました。しかし、いつのまにか撤去されていました。おそらく、鉄骨を安全に保存するには経費がかかるからでしょう。
 これが戦災跡であることを知っているのは、一部の鉄道ファンくらいではないかと思います。私は、鉄道ファンではないのですが、鉄道雑誌を立ち読みしてたまたま知りました。ほとんどの人は、もし目にとまっても「きたないコンクリート建造物の残骸があるなあ」くらいにしか思わないでしょう。
 かつての横浜市長の要請を受けて、わざわざ金をかけて鉄骨を保存していたころでさえ、「平沼駅戦災跡」という看板もなかったのが不思議です。それが乗客の目に触れるだけでも、この貴重な遺構が戦争の記憶を語り伝えることができると思うのですが。
 もし皆さんが京浜急行の電車でここを通ることがあれば、焼けただれたコンクリートを見て、横浜もかつて戦火に焼かれたことに思いをはせていただければと思います。

 「遺構探訪」の後藤さん、この情報はお役に立ちますか?(^^)

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