みなさん、こんにちは。忘れたころにやって来る子ども電話相談室の出尾麻美おねえさんです。 今日のご質問は何でしょうか。もしもし? |
はーい。 |
お名前は? |
野々市谷 次郎左衛門之丞時忠でーす。 |
はい、次郎左衛門之丞時忠くん、ご質問は何ですか? |
あのー、Gabacho-Netのホームページでは、どの画面にも「ホームページへ」というリンクがあって、それをクリックするとトップページへ行くんですけど、どうしてトップページへ行くのに「ホームページへ」って書いてあるんですか? |
なるほど。ホームページの画面から「ホームページへ行く」とはどういうことなんでしょうかというご質問ですね。では、無着 茶先生にうかがってみましょう。先生、よろしくお願いします。 |
それはね、次郎左衛門之丞時忠くん、話せばけっこう長いことなのよ。 君はGabacho-Netを見る時にアドレスを入れたでしょ。 http://www.gabacho-unet.ocn.ne.jp/ っていうやつ。この中の「www」ってどういう意味か知ってるかなあ? |
えーと、たいていのホームページのアドレスに入ってるから、ホームページだということを表す記号だと思っていました。 |
うん、君と同じように思っている人はけっこういるかもしれないね。 これはね、「ワールドワイドウェブ」(worldwide web)の略で、「世界にまたがるクモの巣」っちゅう意味なの。君がどこかのホームページを見ると、「こちらの方にはこんな情報がありますよ」っちゅうリンク(つながり)で別のコンピュータを案内してることがあるでしょ。こういう仕組みで、読者がいろんな情報をたどれるようにたくさんのコンピュータが協力し合ってるの。この協力関係が世界中にクモの巣のように張り巡らされてるっちゅう意味で「ワールドワイドウェブ」っちゅう名前が付いたの。これは仕組みの名前ね。アドレスの中の「www」はね、その略語をコンピュータの名前にしたものなの。 あ、ついでに言うとね、「worldwide」は一つの単語で、「world」と「wide」の間にスペースもハイフンも入らないのが正しいの。外国人もよく間違えて二つの単語に分けて書くことがあるみたいだけどね。君が英語を書くようになったら気をつけてね。 ここまでわかったかなあ? |
はい。 |
それでね、「ワールドワイドウェブ」も略語の「ダブリュー・ダブリュー・ダブリュー」も、長ったらしいくて言いにくいよね。だから、短く言う時は「ウェブ」っていうの。そしてね、ウェブの仕組みを使った情報発信基地のことを「ウェブサイト」(website)っちゅうの。単に「サイト」っちゅうこともあるけどね。 |
ふうん… |
先生、「ウェブサイト」の「サイト」は「キャンプサイト」の「サイト」と同じ言葉ですか? |
そうなの。おねえさん、鋭い。「場所」の意味ね。 たとえばGabacho-Netは一つのウェブサイトなのよ。そしてね、Gabacho-Netっちゅうウェブサイトには、見出しとか、自己紹介とか、きまぐれノートの記事とか、掲示板とか、いろんな画面が用意されてるよね。こういう画面のことを、本になぞらえて「ページ」っちゅうの。これは知ってたかな? |
はい、知ってました。 |
じゃあ、「ホーム」ってどういう意味か知ってるかなあ? |
家ですか? |
そう。どこかへ行ったあとにまた帰って来る場所が家だよね。 |
野球のホームベースもそういう意味ですね? |
そう。バッターが球を打ったら出発して、また戻って来る場所がホームベースね。 それでね、たとえばGabacho-Netに入った時の最初のページには見出しがあって、そこから自己紹介のページへ飛んで、次にきまぐれノートを読もうと思った時に、また最初の見出しのページへ戻るよね。 |
あ、そうか。「ホームページ」ってトップページのことなんですか? |
そうなの。「ホームページ」っちゅうのは、元々、見出しのページのことなの。つまり、ウェブサイトの玄関みたいなもんね。そこには、「このウェブサイトにはこんな情報がありますよ」っちゅう案内があって、それで読者の興味を惹きつけようとするよね。ウェブサイトを作る人が一番工夫するページだよね。そしてね、読者を自分のウェブサイトに引き入れるために「私のホームページを見てください」っちゅう言い方をするでしょ。それでね、日本では、「ホームページ」っちゅう言葉がウェブサイトやその中のページや、はたまたワールドワイドウェブっちゅう仕組みのことまでいうようになったみたいなの。 |
「ホームページ」って親しみやすい言葉だからということもありそうですね。 |
そうね。いろんな所でウェブサイトを「なんとかホームページ」っちゅう名前にしてるよね。「ウェブ」って何だかわからないけど、「ホーム」も「ページ」もおなじみの外来語だから、その方が親しみやすそうだよね。それもあって、「ホームページ」が元々とは違う意味で使われるようになったみたいね。 そうなると、「ホームページ」が見出しのページのことだと思わない人が増えちゃったもんだから、区別するために「トップページ」っちゅう言葉が出てきたみたいなのよ。 |
じゃあ、先生、ぼくが思ってた「ホームページ」の意味は間違いだったんですね? |
うーん、元々の意味とは違うんだけど、言葉は生き物っちゅうからね。間違いって決めつけるのもどうかなあ。「きまぐれノートの記事はホームページじゃないよ」なんて言い方すると、言葉の揚げ足取りみたいに受け取られるかもしれないから、気をつけた方がいいかもしれないね。 もっとも、Gabacho-Netの作者は、「ホームページ」っちゅう言葉を元々の意味で使うっちゅうこだわりがあるみたいだけどね。インターネット技術で飯を食ってる人だから、意地張ってるんだろうね。 |
なるほど。「ホームページへ」というリンクの名前は、元々の意味で使っている言葉だから、これで正しいんだそうですよ。次郎左衛門之丞時忠くん、わかりましたか? |
はあい、わかりました。どうもありがとうございました。 |
はい、どういたしまして。またお電話くださいね。さよならー。 |
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