No.40 2000/03/10
英会話スクールのCM

 数年前にやっていた、ある英会話スクールのCMです。
 日本人女性が外国旅行中、エレベーターに乗ったら、あとからたくさんの人が乗り込んできて満員になった。降りようとして必死に「降りまーす!」と日本語で叫ぶが通じない。周りの欧米人(白人)たちは、いっせいに彼女を覗き込んで「What?」。
 「英語を話せないとこういう目にあうから、○○スクールで英会話を習いましょう」とでも言いたいのでしょうか。そんなばかなことが起こりうるもんですか。
 立場を変えて考えてみましょう。日本に来た外国人(欧米の先進国の人よりも、むしろ発展途上国から来た人を想定してください)が、混雑したエレベーターの中で、必死に出口に向かおうとしながら、我々の知らない言語で何か叫んでいる。周りの日本人は、その外国人が日本語を話せないことをさも軽蔑するかのように、「何言ってるのー?」。「日本ではこういう目にあうから、日本へ行く人に日本語を教えてあげましょう」。
 我々日本人に対して失礼だと思いませんか?「言葉はわからなくても、状況からその人が降りたいのだと察して道を空けてあげることができないほど、日本人は鈍感で思いやりがないとでもいうのか!」と怒りたくなりませんか?それは、欧米人にとっても同じに違いありません。
 欧米人に対して失礼なCMだと思います。そのCMで演技をさせられた欧米人たちは何を思っていたでしょうか。

 一方、私が好感を持ったCMもありました。勤務後に英会話スクールに通うサラリーマンが同僚の誘いを断るのに「おー、あいむそりー。あいはぶあんあぽいんとめんと!」と英語をひらがなで(?)しゃべるというストーリーです。「英語を学ぼうという意欲と話そうという度胸があればいいのです」というメッセージが感じられました。
 こちらの英会話スクールの名前は公表しましょう。NOVAです。
 でも、最近のNOVAのCMはそのころほどにはおもしろくない… :-P

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