No.6 1999/10/11
怪談(その2)

 怪談その2は、私の仕事仲間だったA君から実話として聞いた話です。

 A君がボーイスカウトの指導員をしていた時のことです。キャンプで肝試しをやろうということになり、A君はもう一人の指導員B君といっしょに、肝試しのコースの途中に隠れて隊員を驚かす役をしていました。
 待っていると、隊員のC君が歩いてきました。その斜め後ろを別の隊員D君が歩いていました。D君は、キャンプ場で熱を出して寝ていたはずでした。それを見たA君とB君は、「あれ?Dのやつ、もう熱が下がったのかな」と話し合っていました。
 C君とD君が近付いてきた時、A君とB君は水をかけるなどして驚かしました。C君は「うわーっ!」と驚いていましたが、D君は驚く様子もなく、平然と歩いていきました。
 さて、肝試しが終わってキャンプ場へ戻ってきたA君とB君、別の指導員に「Dの熱は治ったの?」ときいたら、「いや、Dはずっとここで寝ていたよ」。C君に尋ねたら、「僕は一人で歩いていた。D君が後ろにいたなんて気付かなかったよ」。

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