素敵な短歌 これ訳さんか?
素敵な短歌をたくさん作っておられる
麻生深月さんが、自作短歌のフランス語訳を発表されました。単なる翻訳ではなく、フランス語で短歌のリズムで読めるようになっている見事なフランス語短歌です。これに触発されて、私も深月さんの短歌のフランス語訳をやってみることにしました。
脚韻 ズームイン!
韻踏みマニアの私としては、フランス詩の伝統に則って韻を踏まずにはいられません。なにしろ、韻踏みマニアになったきっかけは、若いころにフランス語の歌の脚韻の響きの美しさに魅せられたことだったのですから。
四拍子 四行詩
私の訳の型は四行詩です。一行は7音節(ただし、語末の無音のeを音節に数えることと数えないことがあります)。強弱拍も考慮しており、四拍子のシンプルな曲(「きらきら星」のような)に自然に乗るリズムになっています。
ハートを訳し ようやく作詩
フランス語で定型詩を作ろうってんですから、当然ながら、元の短歌の言葉を翻訳していたってだめです。言葉ではなく心を訳さなければなりません。
まず、自分の心に共鳴する短歌に着目します。そして、そこに表現された主人公の心の中に思いをめぐらせます。それは非言語的情報です。言葉を見える固体にたとえれば、非言語的情報は透明な液体のようなものです。その非言語的情報をフランス語で表現する言葉をいろいろ考えます。そこに、韻を踏む語の知識を種として入れると、言葉の結晶が成長し始めます。意味が通じて、しかも音節数と強弱拍の枠組みに合うように結晶を成長させます。結晶がいびつになったらやり直し。それを繰り返して、全体にわたって意味の通じる言葉の結晶構造になって、ようやく詩が完成します。
言葉の宝石 できたは奇跡
フランス語の脚韻の響きに魅せられてからン十年。フランス語の定型詩を自分で作れちゃうとは思ってもいませんでした。深月さんのおかげです。ありがとうございます。
ぶっちゃけ話 自信はなし…
一応、意味が通じるように作っているつもりですが、フランス語として正確な表現であるかどうかは自信ありません。あしからず。
漢詩作り それとそっくり?
私がフランス語に堪能だと誤解する方がいらっしゃるかもしれませんが、実は話せません!(きっぱり)昔は大学でフランス人の先生と簡単な会話はできたものですが、今はほとんど忘れちゃっています。でも、基礎は覚えているから作れました。まあ、中国語を話せない日本人が漢詩を作るようなものですかね。